天候にも恵まれ、2020年1月9日(11:00~12:20)に、明治記念館、末広の間において令和初の日本水晶デバイス工業会の2020年新春賀詞交歓会が開催されました。73名(正会員10社23名、賛助会員19社41名、外部5名、報道4名)と参加者が集い、市場回復、水晶デバイス需要拡大を念じつつ、懇親を深めました。また、経済産業省 商務情報政策局 情報産業課課長 菊川人吾様より来賓のご挨拶を頂戴し、新しい年をスタートしました。


会場風景 会場風景 式次第
会場風景 会場風景 式次第

代表者挨拶

長谷川宗平 会長(株式会社大真空 代表取締役社長)

長谷川宗平 会長
長谷川宗平 会長

2020年明けましておめでとうございます。常日頃QIAJにご協力いただきありがとうございます。今年の元日の日本経済新聞の一面は、逆境の資本主義、錆び付く成長の公式とか、1800年代より続いておりました経済の仕組みへの問題提起ということでありました。昨年はと申しますと確かに30年後の2050年にはデジタルとバイオの技術の進化により神の領域への扉を開く、技術の進歩による大きな変化があるということでした。足元では、通信機器、通信規格、5Gの元年、データ伝送スピードの従来の100倍によるIoTの活発化、安全安心からの自動運転、環境保護からのEV化、それらの発展の為にも産業機器への設備投資とイノベーションによる現実化にハードとソフトの両面が必要であり、ハードの価値をもっともっと表現する必要が出て参りました。その延長が2050年の技術の大きな変化に繋がることだというふうに思います。そして、イノベーションによる技術の進歩により、ものづくりに対する再評価がなされると期待をしております。さて、恒例の今年の十干十二支についてお話しします。今年の十干十二支は庚子(かのえね)俗に言うねずみ年であり、3つの意味があります。1番目につなぐ、継続・継承、2つ目に償う、責任を果たす、3つ目に改める更新とのことで、十干十二支を総合すると、今年は継続と更新をして万事繁栄する年ということだそうです。非常に期待できるというふうに思います。水晶業界も長いトンネルから昨年後半から少しの光が見えて、加えて市場の要求も理解のあるものになってきたというふうに思います。これを機に水晶デバイスが本来のデバイスの価値、ポジションを取り戻して行くものと期待をしております。そのためにも、イノベーションを起こす必要があると思いますし、我々自身がその方向に向かっていきたいと思います。結びに、業界の発展と、会員各位の御会社の隆盛、ご参加の皆さまのご健勝を祈念申し上げて私の挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

来賓挨拶

経済産業省 商務情報政策局
情報産業課 課長 菊川人吾様

経済産業省 菊川人吾様
経済産業省 菊川人吾様

皆さま改めまして、明けましておめでとうございます。令和になってはじめての新春賀詞交歓会、斯くも盛大に行われますこと改めてお慶び申し上げたいと思います。先ほど会長の方から十干十二支のお話もございました。私が生まれた年は大阪万博があった1970年でございます。それから遡る事6年前1964年に東京オリンピックがあったわけで、今年2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催されると、これは大臣からの受け売りではありますけれども、当時、1964年にできた新幹線、丁度その戦後復興のなかで、世界銀行が51のプロジェクトを立ち上げたそうでございまして、その中に新幹線があり電力があり、鉄工所があり高速道路があり、まさに今の日本の経済の社会を支えるインフラが、戦後復興の中、世界銀行の力を借りて、先人の血と汗と涙でご苦労されて、もう1990年代の頃には世銀にはお金を返せたそうです。どれだけその当時の方々が粉骨砕身されて、まさに今の日本の繁栄の基礎を築かれたかなという事に思いを馳せると、まさに東京オリンピック、パラリンピックある今年が、次に世界的なイベントが行われたときに、まさにこの時期に、まいた種が、あの時先人たちがしっかりやってくれたので、今の繁栄があるんだというような振り返りをしてもらえるような、そういう年、令和元年から二年に訪れたこのタイミングで、もう一度皆さま各企業、各技術者の方々、そして業界の方々、そして我々政府が一丸となって、取り組んでいきたいという思いを新たにしているところであります。2020年は、そういう意味でいうと、先ほど会長から話もありましたが、5Gが始まる商用化が始まる元年であります。昨年末、政府としても、経産省と総務省、協力して税制を作ることになりました。情報通信というのは、巨大なある種のコンピューターであります。その中で使われていく皆さまの水晶デバイスというのは、まさに先ほどのものづくりというお話がまた、ハードとソフトというのがありました。これはやはりGAFA(※)、彼らはむしろソフトからハードに回帰をしようとしているということであります。色んな電子デバイスや用途を取りつないでいく規格作りをしようという事で、むしろ我々がソフトじゃないかという時代に彼らは多分ハードに戻ってくるということなので、やはり皆さまの業界が支えていただく、これはもう産業インフラというよりも生活に根付きますので、生活インフラだと思います。そういう意味で先ほど前回の東京オリンピック1964年大阪万博1970年代の話をいたしましたけれども、今我々が世界銀行に頼るわけにはいかないので、そこはやはり政府と、やはり民間の皆さまの投資、そして政府のビジネスができるような環境整備、そういう事をしっかりとやって、皆さまの水晶デバイス、これは本当に色んなところで支えていただいている業界だというふうに認識をしておりますので、益々、期待もしておりますし、是非プレッシャーもかけさせていただきたいと思っておりますので、ビジネス環境で不手際なとこがあれば、これからデジタル社会に向けて色々な規制も変えていかなければいけないと思っております。そういったアイデアを是非いただきながら切磋琢磨をして、お互いで日本を、もう一度リセットして、世界に冠たる経済社会を、作っていくということで気持ちを新たにして皆さまと今年をしっかりとキックオフしたいなというふうに思っております。長くなりましたが、改めまして皆さまの業界のご発展、各企業のご繁栄を祈念をいたしまして私の方からの新年の挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
※GAFA:グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェースブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社のこと。頭文字を取って称される。いずれも米国を代表するIT企業であり、4社は世界時価総額ランキングの上位を占めている。

乾杯挨拶

若尾富士男 副会長(リバーエレテック株式会社 代表取締役社長)

若尾富士男 副会長
若尾富士男 副会長

明けましておめでとうございます。2020年に入ってるわけでが、仕事の上では第3クオーター終わりまして、第4クオーターにかかるわけですけども、ここに皆さまお集りの皆さまも、企業経営の中で業界はどうなんだってことが気になると思います。アナリストの方々も、こんなに部品業界忙しいのに水晶デバイスは大変ですよね、という話が出ます。新しい大容量通信の時代になりますと、明かりが見えてくるというか、先ほど長谷川会長の方からいい兆しがあるということで非常に喜ばしいことだというふうにと思ってます。当社を含め、当工業会が良い仕事を、エネルギーをかけてやっていますが、どうしても収益に結びつきにくいということがあります。しかし、ここに来まして、需要と供給を含めて、世界で1.何倍位の需要入り始めていますので、やはり水晶のプライオリティは、昔の輝きを取り戻すのではないかと思っておりますし、必ず取り戻さないといけないと思っております。自立自助、また向上心を持って取り組んでいくという気合で、工業会は行こうと思っておりますので是非、賛助会員の皆さんからもご支援いただき、また盛り上げていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。それでは乾杯に移りたいと思います。今日、お集りの各正会員さん、賛助会員さん、その他報道関係の方も含めて皆さまのご健勝、企業の益々の繁栄を祈念して、また水晶デバイス工業会を今までに増して支援していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。乾杯!

中締め挨拶

竹内敏晃 副会長(日本電波工業株式会社 代表取締役会長)

竹内敏晃 副会長
竹内敏晃 副会長

ちょっとこう、暖かくなりましたね、皆さん、この貴重なお時間を当水晶デバイス工業会の新年会にご参集賜りまして、誠に有難うございます。また本日は経産省の方からも前向きのお話もございました。2020年、ここで5G、5Gと言ってますが、5Gは、いよいよやっと動き始めたころかと思います。我々の生活の中に、本当に便利に周波数の利用というものが出てくる、これが実は5Gだと思うんです。ですから、需要というのは、急に5Gだとか言ってグッとこう伸びるものではありません。私はそう思っています。まあ、ご意見がある方もおられると思うんですが、今、インフラが出てきて、使ってみて遅延時間が短いとか、周波数が色々と使えるとか、多値変調っていうのは、こんなふうにして有限の資源である周波数を上手く使えるんだとか、それを使ってIoTが動き、そうすると、「あらららら」っという感じに、増えていく。じゃあそれがいつか、これは分かりません。でも、人によって2020年とか、2022年だろうとか、2023年だろうとか、言っておられますが、その頃になって、おっとり刀で行っても、間に合うものではない。ですから、今年が非常に重要な時。それと同時に水晶デバイスの利用されているボリューム、物凄い数だと思いますが、はっきり言って数量から言ったらかなり日本勢のものは減ってきていると思います。というのは、マーケットがどんどん大きくなっている。ところが、今度は、便利に使いたい自分たちの身体の一部として使いたい、そういう風になってきますと、「軽薄短小」がかなり進んでくる、現在でも「軽薄短小」が物凄い勢いで進んできている。そのために、物が間に合わないというような話が出てきてるんじゃないかと思うんです。「軽薄短小」になりますと、歩留まりも上がらない、周波数も高くなる、そして、バッテリーライフが長い方がいい。周波数が高くてバッテリーライフが長いと、それだけコンサンプションが大きい訳ですから、そこでどうやってこういうものを作っていくかという事にもなってくるわけです。今までこう話していたのは、そこにこそ我が日本の水晶デバイス工業会の会員の、存在価値が実はあるわけでありまして、そういう意味でこれからは、「あ~楽しみだなぁ」っと私は、そういう風に思っておりますし、当社の人たちもですね、そういう気持ちで、今始めている訳であります。それには、私どもだけでできるものではありません、皆さまの、お力をお借りして出来るわけでありますから、是非ともよろしくお願いしたいと思います。今年は、庚の子です。それで、十干十二支、木火土金水といいますが、木が茂る、木が茂ってそれが、火にかかると土になる土になると今度は、そこにお宝があって金塊が出てくる、それを拾うと穴が開く、穴に水が溜まる。それで木火土金水。今年は、その金塊を探してくるところです。拾うのはまだこれから、来年が、拾うところです。それでねずみですから、やはりこう、こまごま色々と変化があると思うんですが、ねずみの良いところは、何と言っても対応力です。そういう風にこまごまと対応力良くして頑張って参りたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。最後ですから、賑々しく、手、合わせていきましょう。では三本締めよろしくお願いいたします。よー。

(日本水晶デバイス工業会 事務局)