天候にも恵まれ、2019年1月10日(11:00~12:30)に、明治記念館、末広の間において日本水晶デバイス工業会の2019年新春賀詞交歓会が開催されました。2019年の水晶デバイス需要拡大に期待を込め、83名(正会員10社23名、賛助会員21社48名、外部9名、報道3名)と多くの参加者が集い懇親を深めました。また、経済産業省 商務情報政策局 デバイス・情報家電戦略室長 田中伸彦様よりIoT社会において、業界に対する期待及び励ましのお言葉を頂戴し、新しい年をスタートしました。


会場風景 会場風景 式次第
会場風景 会場風景 式次第

代表者挨拶

長谷川宗平 会長 (株式会社大真空 代表取締役社長)

長谷川宗平 会長
長谷川宗平 会長

2019年明けましておめでとうございます。常日頃からQIAJにご協力いただきましてありがとうございます。2017年2018年の日本とアメリカのゴールデンサイクル、短期・中期・長期・超長期、この4つの波が上昇している間、最高の結果を出している産業、企業が多い中で、通信、車載、家電、産業 あらゆるものに必要とされているキーパーツである水晶製品を製造販売している当業界の企業が何故このような状態で業界を支えていただいている御会社にも、ご無理なお願いをせざるを得ない状況になっていることに対して、大変申し訳なく思います。しかし、エレクトロニクス産業におけるタイミングデバイスは、キーパーツであることは周知の通りでございます。いままでも、これからも、より一層社会の発展に不可欠なタイミングデバイスを、社会貢献の為にも営利企業である我々の為にも守って育んで行きたいと思います。少し正月らしい話をさせていただきますが、今年の十干十二支は、『己亥(つちのと・い)』であります。この『己(こ)』は糸筋を整える、己を正す、植物が充分生長し形が整然としている状態、もうひとつ十二支の『亥(い)』でありますが、植物の生命が引き継がれ、種の中にエネルギーが籠っている状態ということです。すなわち、完成、成熟した組織が次の段階に進むための準備としてこの時期に内部の対策を取ることが寛容であるという事らしいです。そういうことを心にしてこの一年も過ごしたいと思います。60年前(1959年)には、天皇陛下(当時の皇太子)のご成婚、ソ連の「ルナ2号」初の月面着陸成功、日産自動車が「ダットサン・ブルーバード」を発売、「黒部トンネル」の開通、そしてローカルな話で申し訳ないですが、株式会社大真空が60年前に創業致しました。元旦の日経新聞の一面に30年後の2050年にはデジタルとバイオの技術の進化により神の領域への扉を開く、ちょっと大胆な話がありましたが、技術の進歩による大きな変化があることは、これは確かだと思います。我々も次の段階へ進むために準備の必要な年を迎えたのではないかと思います。結びになりましたが、業界の発展と会員各位の御会社の隆盛、ご参加の皆さまのご健勝を祈念申し上げて私の挨拶とさせていただきます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

来賓挨拶

経済産業省 商務情報政策局
デバイス・情報家電戦略室 室長 田中伸彦様

経済産業省 田中伸彦様
経済産業省 田中伸彦様

経済産業省で、電子デバイスを担当しております田中と申します。本日は日本水晶デバイス工業、賀詞交歓会にお招きいただきましてありがとうございます。今年は平成最後という事で、年初にこのように盛大に新年の賀詞交歓会が開催できますこと謹んでお慶び申し上げるとともに、経産省としてご挨拶申し上げたいと思います。安倍政権としてみてみますと、6年間にわたりまして歴代最長の経済成長という事で、名目GDPも550兆円を超え、また雇用の方も、有効求人倍率が1割を超えると、賃上げも高水準で続いておりまして、非常に成長を実現できています。他方で世界の情勢では、年末から株式市場が波乱の展開となりました。また貿易では、米中を中心に、色々な意味で不透明感が増した年でした。米国は、昨年以来の301条といったような非常に大きな動きをしており、すでに中国などでビジネスをお持ちの方には影響がでて、様々な不確実性に直面されているのではないかと思います。これまでWTOの中などで進めてきた多角的な貿易体制、自由貿易といったものと少し違う、ある種、保護主義的な流れが広がっているというような状況となっております。経産省といたしましては、日本が自由貿易の旗手として、アメリカ、中国を含めて世界を引っ張っていくという立場を周りに期待されているのではと考えております。昨日も世耕大臣が渡米し、日米欧の貿易「三極貿易大臣会合」に出席しております。まさに、第三国の非市場志向の政策、強制技術移転なども含め対処していこうとしております。今年は日本がG20の議長国を司る年ですし、自由貿易の旗手として、WTO改革の議論や、また電子商取引などのルール形成などで、力強く世界を牽引していこうと考えております。また、昨年は熊本の地震に始まり、そして豪雨、北海道では地震さらにブラックアウトというように、非常に大きな被害・被災が続いた年でした。経産省として中小企業を中心に、国土強靭化、災害に強い産業・国を作ろうという事で、自家発電など、中小企業の防災や減災に対応するような投資を促進する、投資税制などを新たに創設させていただきました。また、人手不足というものが喫緊の課題と認識しておりますが、政府全体として、生産性向上や人材育成のための人材確保の取り組みを行い、労働力が不足するという分野に限りましてですが、専門性や技能有してある種即戦力となる外国人を受け入れるという制度を、この4月から導入いたします。日本水晶デバイス工業会を含めまして、広い意味で電気、電子情報関連産業では、機械保全等の職種が対象となります。さらに経産省では、継続してソサイティ5.0の実現に向けたConnected Industriesの取り組みをしていますが、生産性向上において、まさにこれに大きく貢献する、また繫がっていくものですし、このConnected Industriesの重点5分野、データ共用や人工知能を使ったデータの利用などを、さらに進めていきたいと考えております。その際、地域の中小企業の生産性向上を図るという意味で、ものつくり補助金や持続化補助金などの万全な対応を取っていきたいと考えております。また新しい元号になって10月には消費税が増税され10%に引き上げられる見通しです。国民生活や経済に混乱を生じないよう、キャッシュレスの決済とその時のポイント還元、また自動車など経済にインパクトがあるものに対して、軽減税率の対応など万全な対策を講じていきます。そして情報通信の分野で考えますと、正に今年は5Gのサービス化の導入が本格化していくという事になると思います。自動運転や遠隔医療など、新たなサービス新たな可能性が5Gによって実現するという関心が一段と高まっています。IoT社会が進む中で、生産人口の減少や高齢化が進んでいくという課題をもつ我が国に、新しいソリューションを多様な形で与えるものとして期待されています。その5Gから自動運転など新たに成長する市場において、タイミングデバイスが益々どこにでも必要となると思います。そしてそのキーデバイスである水晶デバイスを作られている皆さま方の役割は、益々社会的に重要性を増していくものと考えております。日本水晶デバイス工業会に於かれましては、国際標準を中心に、積極的に規格化に取り組まれてきたということで、まさに世界的に5GないしはIoTといったものを広めていくという中でのキーデバイスとして、大きな取り組みをされていると認識しております。これらを是非、国際協力を高めていくという観点につなげていただきたいと思います。我々は貿易・投資などの観点で皆さまのビジネスの不透明性、不確実性を可能な限り避けていくよう努力していきます。最後になりますが、日本水晶デバイス工業会の益々のご発展、本日お集りの皆さまの飛躍の年に、今年がなることを心より祈念いたしまして、私より挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

乾杯挨拶

竹内敏晃 副会長 (日本電波工業株式会社 代表取締役会長兼社長)

竹内敏晃 副会長
竹内敏晃 副会長

今、ご紹介いただきました、日本電波工業の竹内でございます。今年は、新年からなんとなくパッとしないことが多いんですが、干支を考えてみますと『己亥(つちのとい)』、平たくいいますと、干支というのは『甲(きのえ)』から始まり、最後『癸(みずのと)』となります、木火土金水(もっかどこんすい)ですね。一番初めに木がある、木が茂ると次に火が付いて火事になる、それで燃えたものが、土になる、土がしっかりすると、今度は次に掘ってみると金(きん)が出てくる、金が出た後に穴があく、あいたところに水が溜まる、そうしてまた水を含んで木が茂るとこういうふうな回りですね。それでそういう風なことを考えてみますと、今年は『己(つちのと)』で、次に『庚(かのえ)』になるわけです。金(きん)になるわけですね。今年ちょっと頑張っておくと来年はいい金が出てくるぞ、とまあこういうふうな年回りだと思っておけばいいわけです。先ほど田中室長の方からも話がございましたが、5Gにしても車載にしてもこれからのインフラにしても、少しとロングレンジで見てみると非常に大きなポテンシャル又は用途、分野、広がっていくわけです。たまたま、ここへきてiPhoneが落ちたとか…米中のやつは、これは長続きしますね。ちょっと直ぐ上手くいくだろうとか、そんなふうに思わないで、これは長続きすると。長続きするのは仕方ないのですが、いずれにしても、この周波数の制御、選択、検出というものを担当しているこのインダストリーは、益々忙しくなってくる。昔、電波新聞が、上手い言葉を出しました、『軽薄短小』。どんどんどんどん小さくなる、薄くなる、しかも周波数は、うんと高くなる。出来るところは、どんどんと決まってくる。今大変なのは、どこでも出来るようなものをやっているからで、これからは「軽薄短小」で高い周波数となり難しくなってくる。日本勢の出番だと思って、今年はじっと頑張れば、いい金(きん)が来年取れるなと思っております。皆さまの益々のご健勝、この業界の繁栄、そして今日お集りいただきました皆様がお元気で今年を過ごされますよう祈念いたしまして乾杯したいと思います。ご唱和願います。乾杯!ありがとうございました。

中締め挨拶

若尾富士男 副会長 (リバーエレテック株式会社 代表取締役社長)

若尾富士男 副会長
若尾富士男 副会長

日本水晶デバイス工業会の副会長を仰せ付かってます、リバーエレテックの若尾でございます。どうも明けましておめでとうございます。長谷川会長、竹内副会長から技術革新をすればいい年になるということで非常に心強く思っていますが、なかなかこの業界、kHz帯、MHz帯の数を作っても利益の創出が難しい、難しいというか厳しい業界となってます。なんとか業界全体で乗り切らなくてはと考えてます。やはり小型化とか高周波とか一生懸命やらせてもらってますが、設備投資しても回収できないうちに、また違う仕掛けが来るということで厳しい状況です。メーカからは、小型、小型という要望がありますが、突然それは要らないから来年になるよ、というような話があったり、結局一生懸命ものを作って、今度は価格競争で最初の価格が入り、しばらくすると今度スペックが変わり、難しくなったり。それでも結局難しいスペックを同じ単価で売っていくようなことになります。半導体メーカでも同じようで利益がでない。やはり同じような構造なのかなと。他の水晶デバイス以外の業界をみると皆いい収益を出しているので、どういう組み立てが良いのか考えていきたいと思います。新しい水晶を使った、先進のようなものを業界で出していければ、また違う境地が出るのかなと思うので、日本水晶デバイス工業会の各会社が新しいものに取り組んで、是非買いたいと思われるような商品をだしていきたいと思っています。また今年も一年間業界へのご支援をよろしくお願い申し上げます。中締めという事ですので、3本締めで。ご唱和のほどよろしくお願いいたします。よ~。

(日本水晶デバイス工業会 事務局)