例年より暖かな年明けとなった、2016年1月7日(11:00~12:30)に、明治記念館、孔雀の間において日本水晶デバイス工業会の2016年新春賀詞交歓会が開催されました。2016年の水晶デバイス需要拡大に期待を込め、92名(正会員10社26名、賛助会員28社59名、外部4名、報道3名)と多くの参加者が集い、新春ムードが高まりました。また、経済産業省からは、商務情報政策局情報通信機器課課長三浦章豪様より、広い視野からの政策・展望及び励ましのお言葉を頂戴し、懇親の輪が広がりました。


会場風景 会場風景
懇親会風景 式次第

代表者挨拶

竹内敏晃会長 (日本電波工業株式会社 代表取締役会長兼社長)

竹内会長
竹内会長

皆様、明けましておめでとうございます。今年は、暖かいお正月でした。こういう時は、もしかすると今年はいい年になるのでは。しかし株式市場では申酉騒ぐというので、いろいろな事が起こる年なのかもしれません。一方江戸で言えば、丙の申ですから、物事が成就するともいわれています。さて、我々がやっている仕事というのは、周波数の制御、選択、そして検出であります。そしてIoTが注目されているので、電波又は周波数を使うものが益々増えます。センサも、これから水晶デバイスの需要としては出てまいります。このような大きなうねりというのでしょうか、傾向というものを考えますと、この周波数の制御、選択を扱う我々の将来、これからは大変大きな需要があると考えております。特に、これから「軽薄短小」がさらに要求されてきます。一方、電波、これは有限の資源ですので、それをいかに有効に使っていくかという意味では、周波数の精度というものも要求されます。「軽薄短小」であり、精度の良い周波数であり、そして、限りがありますからどうしても周波数は高くなっていくと思います。高い周波数に移行していく、このようなことになりますと、皆様よくお分かりのようにベースになるのは技術革新です。世界には多くの水晶メーカがありますが、その技術がしっかりとしていて、リードしていけるのは、やはり日本の水晶メーカの力であろうと思います。メーカの力と申し上げましたが、これは賛助会員の皆様のいろいろなご援助があってのことです。こういうチームワークがそろっているのが我々(QIAJ)の強みであると思っております。『周波数の制御、選択、検出』これを「安心、安全、そして快適な生活」の役に立てるように頑張って参ります。いずれにいたしましても今年はチャンスが巡ってくる年だと考えておりますので、なお一層、皆様のご協力お引き立てを頂戴したいと思っております。ここに本日お集まりいただきました皆様の会社の繁栄と、皆様方のご健勝を祈念いたしまして、新春のご挨拶とさせていただきます。おめでとうございました。

来賓挨拶

経済産業省 商務情報政策局
情報通信機器課課長 三浦章豪様

経済産業省 三浦章豪様
経済産業省 三浦章豪様

昨年は、IoTビックデータ、人工知能といった革新技術によって産業、もしくは社会が大きく変わりつつあるという雰囲気が、日本においてもようやく盛り上がり始めた一年であったかと思います。リーマンショック以降、全体としてみると中々元気が出ないときが続いたところが、少し景気全体も上向きつつあるなかで、いろいろなこういう席を回らせていただいて、一昨年より、去年、去年より今年の方が、皆さん表情も明るくなっているような気がします。アベノミクスの効果ということでは、企業収益が過去最高を記録し、有効求人倍率が23年ぶりに高水準、さらに賃上げ率も過去17年で最高となり、経済の循環は着実にまわり始めていると思います。今後この良い流れというものを断ち切らないように法人税減税等、環境整備に努めてまいりたいと思っておりますが、むしろ官ではなく民の皆様に頑張っていただいてこそ、はじめて経済が順調にまわると思っております。IoTに関しては、未来投資という言い方を最近しています。今後、日本の投資を盛り上げていくことを考えた時に、やはり工場を建てる、もしくは生産設備を増強するということに加え、フロンティア、新しい分野でいかに投資をして生産性をあげるかということが大事だと思っております。そのためにITもしくはIoTの分野で、地方を含めて投資及び雇用投資という面が盛り上がってくると考え、今、一生懸命応援をはじめているという状況です。昨年の10月には総務省と共同でIoT推進コンソーシアムという官民合同のコンソーシアムを設立いたしました。趣旨としては、新しいビジネスを目に見える形で一個でも多く生みだすよう、政府として、新しい事業に取り組む皆様に対して、まず資金の面でのお手伝い、さらに優れたビジネスを日本で始めたいという方に、できる限り最優先で規制についても見直し又は明確化を図っていくような規制緩和に取り組んでいます。こういう形でいろいろなものに、IT部品が入り、モノとモノが通信をするという時代になってくると、当然のことながら皆様のビジネスが重要であります。水晶デバイスも、益々需要が増え、信頼性が求められるというような状況になってくると思います。水晶デバイスはIoTを支える重要なデバイスだと思っております。ぜひビジネスの面で皆様のお力を発揮いただければありがたいと思います。水晶デバイス工業会におかれましては、この分野における国際標準化ですとか、JIS化の取り組みということを積極的に推進していただいていると思います。近年では規格の大半が日本発であるということを承知しておりますので、国際競争力を高めていくという中で是非引き続きお力を発揮いただければありがたいと思っております。最後になりますが、水晶デバイス工業会の益々のご発展、さらには本日お集まりの皆様方のご健勝を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

乾杯挨拶

若尾富士男理事 (リバーエレテック株式会社 代表取締役社長)

若尾理事
若尾理事

乾杯に先立ちまして、少しお話させていただきます。先日、ノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智先生は韮崎市出身ですが、私どもも韮崎でして、大村先生はスキーの長距離で国体の選手をされるなど地元では若いころから有名な方で、スキーを教えるなど地域に溶け込んでいる方でした。眺望が人を育てるといいますが、大村先生も高いところがお好きなようで、住んでいたところも大変眺望の良いところです。人間用の抗生物質は他が研究しているので、家畜用を研究するというように「人のやらない事をする」いう思想を常にお持ちだったように思います。また、同じく韮崎エリア出身の阪急電鉄の小林一三氏は、田園都市計画というか、線路を引き一番奥に宝塚劇場をつくりそこまでの間に高級住宅地をつくり、最終点にはステーションビルをつくり集客するということをしました。韮崎ではありませんが山梨出身の東武電鉄の根津氏も同じような考えで、スカイツリーもそうですが、人がやらないような発想により成功してきたのではと思います。山梨では方言で、「そんなの意味ないよ」というのを「そんなの価値ないよ」言いますが、我々、水晶デバイス業界も厳しい状況の中で価値づくりをするために、目先を変えて技術革新をしていくような投資をしていく必要があると思います。QIAJが水晶業界の本流と自負し、ここにいる賛助会員の皆様のご支援もいただき、価値づくりをして頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
では、当業界の益々の発展、会員各社のご隆盛、本日ここにご出席いただきました皆様のご健勝を祈念して、乾杯!

中締め挨拶

長谷川宗平副会長 (株式会社大真空 代表取締役社長)

長谷川宗平副会長
長谷川副会長

明けましておめでとうございます。日頃はQIAJに大変ご協力いただきましてありがとうございます。本日は経済産業省から三浦課長様、清野様もお越しいただきお言葉をいただきました。また、正会員の皆様、賛助会員の皆様、大変忙しい中、賀詞交歓会にお越しいただきまして本当にありがとうございました。今年の干支は丙申ですが、読み方を「へいしん」といって申年なのですが、それを干支学からいつものようにご紹介をさせていただきます。十干では、この丙申の「丙」は『盛んである、明るい、強い』と意味らしいです。また昨年の「陽気」が一層発展することを示しているともありました。次に十二支のしん、「申」ですが、これについても『屈伸、のびる、明るい』などの意味があります。「丙申」共に『明るい、盛ん、伸びる』、という意味をそこに含んでいて、強い生命力とか、活力を持っていて、昨年に引き続いての諸事成長、発展する年となります。ちなみにいつものように、60年前の「丙申」の年ですが、これは前年の後半から神武景気、これで産業界に活況をもたらして、積極的な設備投資を進めた年でした。さらに120年前になりますが、これもまた八幡製作所や川崎造船所の設立、紡績会社が操業して多くの近代産業が興った年だということで、ますます期待が持てるのかなと思います。昨年この場所でも干支についてお話をさせていただきましたが、昨年の十干の、きのと「乙」というのは象形でいくと根がまがったように出て、いろんな困難があってなかなかまっすぐに伸びないという象形文字、伸びようとしても苦しむような暗示をされていた年だったのですが、それに屈せずに忍耐強く、着実に展開し、その厳しい中にもいろいろな努力が実って、今年はその結果が出て大きな成果を得るような年回りですから、我々も良い年回りに同調して、今年こそは良い年にしていきたいと思い、ご紹介をさせていただきました。それではご使命ですので締めをさせていただきます。業界の発展、それと会員各位のお会社の隆盛、ここにご参集の皆様のご健勝、祈念させていただいて皆様ご一緒に三本でしめさせていただきたいと思いますのでお手をよろしくお願いいたします。よ~(三本締め)ありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

(日本水晶デバイス工業会 事務局)